第五章 第四次うどん巡礼!渡海作戦!

好きなお店でドカ食いだぁっ!松下で食うぞ!

前回までのうどん参りで、ある程度の店を開拓した。結果、好きなトコで死ぬほど食いたい!という、メンバーの強い意見を入れて、今回より「一店一玉」の大原則を廃止、「食いたいだけ、食え!」に変更した。
嗚呼、松下でドカ食いしたかった、田村でドカ食いしたかった、山下でドカ食いしたかった、メンバーの欲望が今満たされようとしているのである。在る意味、恐ろしいことでも在る。福岡の恥を、香川に晒すのか?それとも、福岡県民恐るべしと、香川県民に瞠目させるのか?それは、誰が判断すべきなのであろうか?
今回は、時間経過を記入し、どの程度の時間を要するのかを、皆さんに提示したい。福岡県筑後地方からのうどん参り、そんなに時間を要するものでもない。積雪の中国自動車道で時間を浪費した事件を紹介した為に、うどん参りへ誤解を抱かせたのではないかという危惧を感じた為である。

2001年9月21日

21:41 小郡出発
21:49 吉田石油で給油 ハイオクリッターあたり101円しかしない。本社は香川県という怪しさ満開のガソリンスタンドグループ、吉田石油には倉敷でもお世話になった。使えるんだもん!ここのカード。しかし、倉敷とかでは、こちらの吉田石油ほどには安くない。国道386号−210号−県道11号経由でただひたすら別府を目指す。

日付が変わって22日

00:24 別府の宇和島フェリー乗場に到着して、乗船手続き遂行。手続き開始は乗船時間の一時間前から、それまでは切符売り場は閉まったままだ。そこんトコ、宜しく!ココの発着場の食堂で、いつかとり天定食を食してみたい。(後日食したらうまかった!)
02:00 別府発、宇和島運輸最小の小型フェリー「さるびあ」に乗り込んだが、この便は下道走って、西条・新居浜あたりにアサイチ入荷可能という時間帯なので、私等乗り込んだ時点で、あと乗用車三台くらいしか余裕が無いというタイトな状況下であった。予約をお勧めしておきたい。豊予海峡は小さな船には辛いものがある。関アジ・関さばを生むだけ在って、潮は早いのだ。
04:30 三崎到着と共に出発、さて、爆走開始である。長距離のトラックは早い!追撃するのも大変だ。
04:49 風の駅にて洗面&歯磨き休憩、怪しい道の駅である。
05:18 保内通過国道197号から387号へ、こちらのほうが大洲経由より絶対に早かったりする。この時間帯で、歩け歩けの方々をあちこちで目にした。愛媛県民も恐るべしだ。途中、伊予から生方へ松山ショートカット国道11号へ。かなり時間が稼げた。
07:03 西条通過、水の都との噂が高い西条と、石鎚山を遊山してみたいものだ。この時点で予定より二十三分遅れ。妻と運転を交代し、睡眠!
08:15 とよはま道の駅休憩、海沿いの道の駅は、結構気に入っている。ここで計画より三十分以上送れているし、計画を変更して高速道路使用に計画変更する。ここからなら、大野原が近いか?帰路でここから乗る予定だったから、ちょうど良い感じだ。
08:40 大野原ICより高速道路に乗る。そして凄まじい物を発見した。インター傍の工場に書かれた名コピー「うどんは別腹ってごぞんじですか?」さすがは讃岐、香川県民恐るべし!
09:00 府中PAにてハイカ購入したのだが、売店のカウンターに全店制覇2があった!ホットカプセル、ボロ儲けやなぁ。讃岐うどんは観光資源化している。香川県民恐るべし!
09:13 高松西IC着、高速道路延長工事中で混雑する高松市内。時間帯も混雑するころだもんなぁ。

健在、我等最愛、立ち食いの「松下」!

09:32 松下着、到着するなり私は一玉をぶっかけで、既に他のモンも食いまくっている。天下無敵のやくざ食いで食い終わると、次は二玉をかけで頂いた。
むさぼり食う私を見て、お客さんの一人が「ほんと美味そうに食うなぁ」の一言、「久留米から食いに来たん」の独白に絶句した常連さん!完璧にあきれ果てているのだろう!
お孫さんの出走で忙しそうな女将さん、我々を見て呆れていた。「今から孫が出走するから、急いで見にいかんと!」何処の世界でも、孫はかわいいんだよねぇ。しかし、もう少し若いと思っていたんだが。口数の少ない大将は、我々を見て、気の毒そうに思ったのか、お話とかしてくれた。
松下は、我等最高のうどん屋なのだ。うどんと出汁のバランスが良い。ココの天カスの上品さがたまらない。もはや食いたいだけ食おう!新規開発店は無視しても構わない!ぶっかけで一玉、そっこー食い。次は二玉を少し湯がいて、温い出汁かけて、そっこー食い!大体一玉なら一五秒、二玉なら三〇秒、誰もが呆れるやくざ食い!
としちゃんも、二玉、くみとすみちゃんはぶっかけで一玉づつ。お昼?おやつ?と称してコロッケ八つ、うどん六玉、つゆ四人分も確保した我々、美味かった、不動の永久ランクイン、松下である。
ちなみに写真向かって右側から進入、うどん玉もらって、湯がいて出汁かけるか、ぶっかけするかして、左の立ち食いスペースで食するのが。大将の目論見であったらしい。私等、左のスペースで食った事が無い。今度、大人しく立ち食いスペースで食ってみよう。うるさいモンなぁ、福岡県民。武田のてっちゃん、井上よーすいちゃん、福岡出身の人見れば分かるでしょ?

国士無双の青空うどん、蒲生!

10:15 蒲生着、ホームページで確認していた蒲生は国道から、右折しても道に迷った。付近住民の方に伺ったら快く御教示くださった。この場を借りて、御礼申し上げておこう。「そこの後ろからも入っていけるけど、そこを左に曲がって、店屋の角を左に行ったら、あるよ。」
結局。蒲生は途中まで進んだ狭い道路の奥に広大な駐車場付で存在していた。だって、あんな道の奥にうどん屋があるなんて、他県民には理解不能だ!
アスファルト舗装された元田んぼとしか思えない駐車場には、どう見ても3ナンバー、広大無辺のプレジデントで乱入している人も居たりする。あの狭い道をプレジデントで乱入するのか?香川県民恐るべし!
店に立ち入ると同時に自己申告、小さいか大きいか?大か小か?私はぬくいのを一玉食した。美味かった、滅茶苦茶美味かったのだ。そして、居ても立ってもたまらず、再度冷たいの一玉、どちらもかけで頂いた。
としちゃんとすみちゃんは一玉づつおあげさん付で、食った三人全員が絶賛!
「よー炊いてある。」「味がえーとよ。」「うまい!」店の奥のずんどうにぬくい出汁が、常連さんから教えてもらったテーブルの麦茶のポットには冷たい出汁。としちゃんは冷たいのと温いのをブレンドして調整。「これが、良かったぃ!」
青空うどんのロケーションは最高!凄いうどん屋がここにも在った。
しかし、蒲生横を流れるイデの小魚は蒲生のうどんで生きているらしい。実際にうどんを放り投げたおじさんと、集結する魚の群れを見た嫁さんの話によれば、流布された噂は事実で、爆笑モンであった。
「うどん投げよった叔父さんが居って、投げたら一杯魚が集まってきた!」最後に一言「ここは、また来るばぃ!」
香川県民恐るべし!
蒲生の青空うどんは、ランクインである。
蒲生から、出たら、国道を突っ切って、旧道に入り直進して、右折、再度直進すればあの田村が出現するのである。えールートやないですか!

田村よ、道の駅よ、がんばれ、綾南!

10:36 田村の向い側に駐車して田村に乱入!今回福岡ナンバーに長野ナンバーまでが居たりして。うどんツアーがブーム化している現実に恐怖する私が居た。だが、そんなモン現実は凌駕していたんだが、この時の私は知る由も無い。
ここでは定番の冷たいのにかきあげ載せて、温い出汁をかけて、一杯。
としちゃんとすみちゃんは、ちくわの天ぷらのせて冷たいのに温い出汁かけて。
ところで、冷たいのに温い出汁をかけて、ネギと生姜が、ここんとこ確立したスタイル。毎回、六杯以上食う私の手法をみんなが真似して、食べられそうなら、これに天ぷら載せるのが常識になってしまった。
田村のうどんは腰があって、気合の入った、ストロングスタイル。しかし狭い店内に充満する人々、凄まじい混雑がそこには存在していた。
うどんはベストだが、出汁が少し弱い。出汁というかスープも必須条件の福岡県民、このバランスさえ取れれば無敵の田村だが、なんやかんや言っても、やっぱりランクインであった。
10:43 田村発を立って一時休憩と買い物をする為に、道の駅滝の宮を目指す。
菅原道真は、一時期こちらにも赴任していたらしい。天神様終焉の地、大宰府はこちら福岡県民のテリトリーなんだが、どこにでも足跡を残しているのか?空海さんの妹さんと菅原一門の一人が結婚して、自分の甥っ子を弟子にしていたのか、弘法大師さん。いろんな歴史があるもんやねぇ。流刑に処され差し入れすら禁止されていた道真公に老女が差し出した餅が、今に伝わる梅が枝餅なのだ。何処でも、食い物の起源には歴史的人物がかかわっているから、面白い。
結局、「ごっくん馬路村」を一本100円でゲット、漬物もゲット、野菜もゲット。道の駅は便利だが、ココにきて差が目立ち始めた。粗製濫造の道の駅、無くなるトコも出てくるだろう。

山越よ、何でこんなに客がおんねん?

11:25 道の駅「滝の宮」から山越までは五キロくらい。出現した例のルートには、車が一杯であった。交差点では警備員のおっさんがうどんを食うまねをして、うどんを食うのかと聞いてくる。私は思わず大っきなバツで意思表示。
嗚呼、さぬきうどんツアーはココまで来たか。運動会真っ盛りと思って安心していたのに、例の交差点まで人間の列!列!列! 個人的に行列する店が嫌いな私の独断と偏見により、山越をパスする。
前回の釜玉に懲りて「冷たいのば食う!」「釜玉は止めて、冷たいのにする!」そう言っていた二人の落胆はそりゃあもう見事だったが、山越の車と行列を見て危機感を抱いた私であった。ここの冷やは、ランクインのままにしておこう。

痛恨、中村はいずこ?無念の撤退!

11:56 山越を強制パスして、中村にかけた我々である。今回ニューフェィス「蒲生」の評価が絶句クラスであったので、もう一軒の中村も期待大であった。
だが、中村の位置も判明せず、通行人の姿も皆無という劣悪な条件下。勇気有る撤退、山下へ転進した。

山下

12:12 それは驚愕であった。山下のぶっかけ小、四人がまったく同じメニューをオーダー。
一口すすった全員の顔色が豹変した。
12:32 山下発で琴平を抜けて、大野原ICへ向かう。途中で「山神」の看板を発見した。こんどカチコミかけたろ!びっくりするやろな?私一人の存在が、我々を「うどんヤクザ」に仕立て上げてしまっている事実に気がついた。海よりふかーく反省しよう。
とにかく高速道路で一気に大洲を目指し、日帰りだ!三崎四時半のフェリーに間に合わせなければ!
13:12 大野原ICから爆走して大洲を目指す。

やっぱ、大洲の、しぐれバィ!

15:03 大洲ICを降りて大洲道路へ、最近道路工事が多すぎて、記憶があいまいになっている。大洲道路から松栄堂さんはすぐだったのに、あの道まで拡張済みだ!どんどんわかんなくなっちゃうでしょ!松栄堂に乱入して、しぐれ購入する。私ら大洲で買うの松栄堂さんだけなんです。やはりうどん参りの際には大洲を通過したい。何故って、松栄堂があって、生のしぐれが買いたいのだ。生のしぐれ、栗入り生しぐれ、これで濃茶があったらもうサイコー!一杯買ったから、しばらくは堪能できる。生のしぐれは日保ちしないのが悪いトコ!
15:26 八幡浜通過、大洲八幡浜の間のトンネルの入り口でねずみ取りしていた。ゴールドカード保持者の我々は、そんなんにひっかからないぞ!しかし、やばかった!
16:09 三崎に来たら「じゃこ天」買ってビール、これは我等の常識である。飲酒運転禁止なのは、当たり前。
16:30 フェリーに乗りこんだらさっさと陣地確保して、ビール片手にじゃこ天だぁっ!しかし、佐田岬を過ぎたら、一気に揺れ始める!しかし、繊細で神経質で芸術家肌の私は、船酔いだって、ビール呑んで爆睡したら、平気なのだ!
18:53 別府到着と同時に長浜ラーメン別府店で、ラーメンと餃子、麺三昧の一日だ。
明礬温泉・地蔵湯がたてかわってますよ!との情報で久々に訪れたが、夜間に駐車場は何処?で入浴断念。砂湯の大正ロマン竹瓦温泉、周囲の雰囲気が悪くなっているので入浴断念。ガソリン補給したらレギュラーが百十円?別府は観光地、観光地のガソリンは高い、故に百十円は当然か?腑に落ちないなぁ!
20:00 で、結局、駅前高等温泉ではなく、我々が何故か愛用する不老泉である。亀の井ホテルの東隣の角っこから北へ!右手に出現するゲートボール場、そしてお世辞にもきれいとは言えない公民館、その一階に不老泉がある。熱いが、柴石温泉の高温側ほど熱くはない。
ここでは、みんな熱いのが好きなのに、一人だけ水を全開で入れて迷惑をかけている人が居るそうだ。何処にでも「困ったチャン」は居るんだね。
20:48 不老泉を立つ、途中眺める飛んだ杉の井ホテルは、明かり煌煌であった。白雲山荘も飛んだという。さて、別府の未来はどうなるのだ?別府の商店街を見てみよ!国道から一本入った道沿いの飲食店は倒産ばかりだ。自助努力無くして、別府の再生は無いよ。なんかしよーや。湯平温泉だって、最近客足が戻ってきているらしい。がんばれば、どーにか、なるかもしんないよ!しかしバブル期の料金アップと過剰投資が、効いているようだ。自業自得か?
21:06 別府ICから高速へ。しかし、客は居るのか?それでも四車線化している。高速道路公団が、第二の国鉄化するのも遠くないと痛感した。
22:21 小郡IC
22:31 着

野放し食い放題うどん参り、今回の総括!

今回のうどん参りは大洲のしぐれが食いたいという希望を入れて、久々の海峡横断フェリーうどん参りになった。別府−三崎間の宇和島フェリーを利用したのは、ここのオフィサーは全員ぴしっとした服装をしている記憶があったから。二名なら別府三崎間と佐賀関三崎間に大した料金差が無いのも魅力だ。
結論から言えば便数が少ないものの、二時間十分の乗船時間は休憩になって疲労がぜんぜん違う。大正解であった。うどん闘魂夫婦さんは別府−八幡浜間のフェリーを愛用されているらしい。そちらも凄いかもしんない。
そして、松下は健在であった。記憶の中で美化されがちな存在なのに、今回も美味かった。
田村も同じく健在であった。
山越のラッシュは、うどん参りの未来に暗い影を落としてしまったが、次回食べられる事を期待したい。
新規開拓店、青空うどんの蒲生、シチュエーションも味も最強であった。讃岐うどんの奥深さを痛感させられた。赤坂並みに怪しい店が、まだ、あるのか?絶句であった。
しかし、残念であったのが、善通寺の山下であった。体調の問題も合ったか?府が悪かったか?
四万かけて讃岐うどん食いにいく我々とすれば、一回一回が真剣勝負だ。一般店ならば「はずれ」を出した時点で「ばいばいきーん!」、セルフなら「乞う御期待」で済むんだが。
ランクインは、松下(未だ評価しない人間皆無)・田村(あとはダシだけだ!)・蒲生(としちゃんは、だしブレンドに挑戦中!)・山越(何故あの値段であのウドンが出せる!)の四店に、暫定ランクインが山下(今回全員が外れ、過去二回の実績故にこの位置)・赤坂(あのぐむにゅむ感とインパクト)・山内(しかしウドンはあそこまで固くて良いのか?)・宮武(値段が少し高い)・おか泉(煮具合の難しいおでんのスジが原因)。ただしとしちゃんとすみちゃんの強い希望で、いきいき(早朝ビール)を入れておきたい。
ところで、某パジェット・レンタカー四国では、「うどんツアー」パンフレットを出して、遠隔地よりのうどんツアー客を取り込もうと、暗躍し始めたらしい。やっぱ讃岐では、レンタカー屋さんまで怪しさ便乗か?と思っていたが、山越の凄まじさを見て、うどんツアーの定着とその隆盛を実感した我々は「やっぱ、香川、恐るべし!」と呟くしかなかった。
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