第四章 第参次うどん巡礼!耐久作戦!

二泊三日の予定が究極の日帰り巡礼!異常気象で大混乱!

今回、巡礼団編成に当たってとしちゃんと、すみちゃんが立候補(讃岐うどんの禁断症状が出てきたらしい)、第一次巡礼団と同じ編成で深夜零時六分に出撃、冷水峠を越えずにトンネル抜けようと思ったら、しょっぱなから工事中で片側通行。貴重な時間を浪費した。でもって、八幡インターを通過して、北九州を縦横断、関門海峡を眺めながら関門トンネルへ、ここでも工事中で。トンネル全部工事中で片側交互通行。下関インターで入り損ねて、小谷インターで中国自動車道に。この時点で午前二時三十分。料金節約のし過ぎで予定より一時間遅れ。
ただひたすらに倉敷インターを目指して東征する我々うどん巡礼団。8万キロを越えた日本一壊れるヴィータも、絶好調!年末に大枚かけて車検取ったのよ!壊れたらただじゃ済まさん!状態!午前六時五十九分玉野市宇野港着。朝日を拝みながら到着したら、七時五分のフェリーにゃあ乗れんかったぁっ!
フェリーの駐車場で整理のおじちゃんと話していたら「九州やろ?」何故、何故、分かったぁっ!インターネットの割引チケットを出しながら思った。
 フェリーの中で売店まだ開いとらんやないかぁっ!オードリー見ながら、半分寝てしもうた私達。

しかし、いつ来ても思うのが、驚愕の自転車サイドカーおばちゃん達の自転車を漕いでいる姿である。福岡の赤坂にはリヤカー部隊が存在するが、ヤマハのパス改造自転車サイドカーは作れないモンだろうか?
高松上陸後、フェリー通り南下しながら思う事、何で一旦停止もせんと、出てくるんじゃぁっ!「飛び出すな!車は急に止まれない!」っちゅう標語知らんのかぁっ!妻の一言「高松ってあんたみたいな自己中ばっかりや」そーじゃないでしょ!私はいつも清く正しいゴールドカード保有者よぉっ!

松下奇襲編!

フェリー通りをまっすぐ南下して国道で右折、んでもって、左折して南下。目指すは「通い慣れたる松下への道」高松港から栗林公園を目指し、手前から右へぐるーっと回り込み、つっーっと行けば、そうである。我等最愛の「松下」である。「麺も美味しいし、スープも美味しい」「コロッケが美味しい」「塩梅が良かっちゃん」「何杯でん食わるる」と絶賛されているのが、ここ「松下」なのである。
今日も今日とて「うどん駐車」入った途端に私は聞いた。「あらぁ、あの人」そーなのである。九州からはるばるやって来る謎の男、そーんな感じで「あんまり来ないが、来たら忘れられない謎の筋モン!」みたいに取られている。冷たいのを四杯食うて、コロッケ6個をゲットである。一人に一個はおやつ、残りの二つはビールのつまみ!慣れていないから、清算は常に後払いである。後から追加したり、コロッケ追加したり、いつも無茶している我々は別扱いにしとかないと、商売に差し障るってもんだ。家の嫁ハンはここでとんでもない事を言い始めた。玉買いに挑戦する?大将は「九州やろ、味が落ちるんや」と苦笑しながら一言。嫁ハン!時間がたって味の落ちた饂飩を食え!言うのか!と、なんやかんやで、計1080円。払いながら、勝手知ったる他所の店状態になっている事に気がついた。

やっぱり凄い、赤坂のおばちゃん!

松下を出るや否や、国道を一気に南下する我々は、栗林公園をパスしながら、晴天から一気に変容する暗い雲に怯え始めた。とりあえずガソリンも無くなったんで出光のスタンドで給油38リッター、475キロ走行、12.5キロ/リッターだ。燃費は大した事無いなぁ。で、松下ではぴーかん!だったのに、何故だぁっ!やばい!傘はあるが、32号線を南下しつつ、車内は赤坂への期待が天候への不安と共に膨らみ始めていた。
国道32号線陶の交差点を左折、次を右折して橋の手前で左に入れば「赤坂」である。あの無敵のキャラクターを誇るおばちゃんと、渋めのキャラで饂飩を踏むおいちゃんの店だ。入った途端に、「冷たいんの一つに、温いの3つ」冷たいんにスープかけて私は一気にすすり上げた。嗚呼、再び、私はやってきた。感動の一杯である。「今度冷たいのばもらおう!」「絶対冷たいのがおいしか!」「こりゃあ、うまかねぇ!」「何も言う事は無いっ!」計400円、恐るべき値段は、久留米ラーメン一杯に過ぎなかった。
ついでにおばちゃんに「おばちゃん、この前のおばちゃんば看板と一緒に撮った奴、ワシのホームページで使うて良かね!」と聞いたら一発快諾してもらえた。
としちゃんとすみちゃんは口を揃えて「すごい!」

田村襲撃!

綾南町のHPを覗いてみると、町内のいろんな饂飩屋さんが紹介されている。前述の赤坂も「保険所の許可証一号店」として紹介されていた。いろんな店が紹介されている。時間と予算が許すならば、全店舗食べ歩きしたいものだ。だが、平均的メンバーでは一日で六杯だろう。体調がベストならば、一日で十杯は軽いのだが、いかんせん、長時間の運転後!私ですら連続ならば八杯しか食べられない。
従って多くの友人や様々なHPが、情報収集の手段であり、今も多くの方々の御教示を基本に巡礼地を決定している。
そして、多くの人々が赤坂を食するなら、田村も食えと薦めてくれた。近いし、どうするか悩んでいたら、「恐るべきさぬきうどん」を新潮H!文庫版で入手した。田村を絶賛している。やはり、田村は食わねばならないのだろうか?九州・福岡の人間にとっての美味い饂飩と、讃岐ネイティブの美味い饂飩は、微妙に異なっている事に気がついた私、前評判に踊らされて失望するのが恐ろしくなってきた。(悲しい過去が存在している。)。従って毎回の大規模巡礼の前には先行偵察巡礼が必要なのだ。現在までに食した店でも評価が四人の中で完璧に一致する店は少ない。ちなみに全員一致絶賛は「松下」(四名中四名、八名中八名、四名中四名三回ともに全員一致絶賛はここだけ!)「善通寺の山下」(八名中八名)「赤坂」(四人中四名、一回のみ)のみなのである。
そして、田村の結論を言おう。美味かった!美味かった!美味かった!そーでもない!絶賛率75%という数字だ。赤坂からの距離を考えれば、一番小食のメンバーの「そーでもない」は当然かもしれない。私のスタイルは、冷たいのに、温いスープ、全体的にぬるーい奴を、生姜と葱と天かすで一気に啜り込む。私はこのスタイルに統一している。田村ではわたしのみカキアゲ一個追加して、小四杯で440円。しかし午前十時からスーツ来た兄ちゃんがうどんを食っているのは何故なんだぁっ!

池内は何処?山越で三人轟沈!

綾菊目指して進め!綾菊で右折!寄るなよ!呑むなよ!という作戦計画書に従い、突入したら進入禁止の綾菊進入路。
何故に続くの、道路工事?年度末の道路工事は自粛するとか?何か、言ってなかったっけか?
で工事中の道路のどこかから曲がれば「池内」のはずであるが、急激な気温低下で外で立ち食いも危ないと、今回はパスして、「山越」強襲に変更する。
前回の襲撃では連休でスカタン食らった我々だったが、今回はオッケー!ガソリンスタンド跡の駐車場に入れた。何故か?平日の十一時というのに、何故か、スーツの人とか、何故か人が居るっ!
かまたま?ですか?私、かけです、冷たいのに温いスープかけるんです!かまたま三つに、つめたいんの一つで530円。はっきり言って、かまたまが主流であった。
しかし「かまたま」は生卵の味しかしないから美味しくない!と言う、三名の証言が在る。ご飯に生卵はいくらでも食えるが、うどんの生卵は嫌いな私。だから、私は「かまたま」を選択しなかったが、選択した三名は「今度はかけを頼むわ。」と呟いた。三名はここで「もー食えん!」「立って食えば、何故か入る!」「そりゃあ、あんただけたい!」冷たいかけを注文した私「絶賛」である。

山は豪雪、急遽変更宮武奇襲!

そして山越から山越えすると「満濃トライアングル」経由「やまうち」のコースなのだが、山越して満濃町に入れば、豪雪であった。高松は晴天だったのに満濃は豪雪か!
ここで私以外の全員にビビリが入った。私は雪や嵐で燃える珍しいタイプの人間なのだ。「行くぞぉっ!やまうちだぁっ!」私の一言に合いの手が入ってしまった。「止めようよぉ。」
この一言で泣く泣く雪の「やまうち」襲撃断念する羽目に陥った。としちゃんと、すみちゃんの評価が聞きたかったんだが、悲しいなぁ。
釜揚げの「長田」を通過、そのまま「将八」も傍目に通過、そして「宮武」の襲撃だ。
国道を進んで、気合を入れて右折!右前方に看板発見!
手前に駐車場在ります!
 しかし、絶対怪しいうどん屋だ。
つめたいのを一玉、ちくわのたんぷら一つ、すすりこむ!腰があって、それでも、しなやかに入るうどんだ。
他の三人は「もー食えん!」はずだったが、としちゃんがやってきた。としちゃんも、つめたいんを一つ。つめたいんの小二つとちくわのてんぷらで550円。
二人の結論、値段が少し高いが、今度も来る!よくよく考えてみれば、これでも、最近高くなった福岡のラーメン一杯か?
次は灸まん、襲撃しよう!

おか泉をはじめて味わう。

今までの巡礼では、その存在を噂されながら、常に「おか泉」はパスされつづけてきた。だから、今回だけは、絶対食うぞ!と、多度津の公園からひたすら南下、突き当りを左折すると、すぐに「おか泉」がある。
冷やし一杯、天麩羅付冷やし二杯、冷酒一本&おでん3本。
結論、ただの冷やしが一番美味かった。で、気になる事が一つ、おでんのすじなんだが、全部煮え具合が違っていた。固い奴と柔らかい奴が渾然として並立存在している。おでんの仕込みは難しいというのが定説だ。もちょっと、気をつけて欲しい。食を供するならば、自分の店に置くメニューすべてに留意すべきだと思う。
裏の駐車場で子供抱いて、その上におみあげのうどんの紙袋下げて、「凄いなぁ」としか言えない奥様二人連れをお見かけした。こっちじゃあ、うどんのおみあげが、一般的なんだなと感服した次第。全員の結論、てんぷら付けない冷やしが最高!また、来にゃあならんばい!おでんのすじは外して!

暴風雪の瀬戸大橋!倉敷駆け足通過!

おか泉を出た時、間違い無く晴天であった。だが、瀬戸大橋は風による50キロ規制中?しかし、瀬戸大橋は暴風雪注意報の真っ只中!前を行くトラックは傾いたまま、ビビリながら瀬戸大橋を抜けるヴィータの車中で、「倉敷一泊放棄!松枝一泊放棄!遅くなっても日帰り変更!」が決定されたのである。
嗚呼、倉敷一泊、松江一泊はどうなったのだ?たった、たった六杯しか饂飩を食ってはいないのに。七杯目に予定しとった「ふるいち」のぶっかけはどうなった?何故か、チボリの前に在るセルフが一番美味しかったんだよぉっ!「食えるのは、あんただけたい!」雪がどーしたぁっ!それでも行くのが、男っちゅうもんじゃ無かかぁっ!「そりゃあ、あんただけたい!」すんまっせんでしたぁっ!
倉敷の美観地区を襲撃したら市立美術館のロビーで怪しい奴にけんか売られたが、無視!チボリ公園を素通りし、ふるいちの場所を説明し、玉島のインターから、山陽自動車道にのったのだが。
何故か倉敷の町も晴天だったのに、広島に近づくにつれて、雪が降るわ、渋滞が始まるわ、冬用タイヤ規制が始まるわ、午後五時に乗ったというのに、基地到着は午後十一時五十八分、基地で「松下」のコロッケ肴に、余ったビールを飲み干しながら初めて気がついた。
今回の走行距離は千七十五キロ、所要時間二十三時間五十分余。通算の燃費は13.0キロ/リッター。究極の日帰り強行軍饂飩巡礼だったのだ。
今回のうどん巡礼を終えて、次なる野望は「松下だけで良い、あそこで死ぬほど食いたい。」「今度は冷たいのばかり食べよ」「今度は選抜よぉっ!」「今度は十杯食ったるぅっ!」誰の野望かは皆さんの御想像にお任せしたい。
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